インターンシップの闇

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こんにちは。

突然ですが、2025年卒の大学生のインターンシップ・仕事体験参加率は89.5%に上るそうです(マイナビ・2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査より)。
実は私は、企業研修の講師以外にも某私立大学様の模擬面接の講師をしているのですが、確かに「ガクチカ」を聞くと「長期インターンシップの経験」を上げる学生はそこそこいますので、納得の数値ではあります。

ちなみに「インターンシップ」にはいろいろな種類があります。
期間についても1日~数か月、内容についても「グループワーク&プレゼン(=めぼしい学生をチェックするためのほぼほぼ一次選考みたいな位置付け)」だとか、「顧客訪問や社内資料作成(=会社の雰囲気を体験してもらって入社後のミスマッチを防ぐ)」だとか、あくまで“採用活動を前提としたもの”もあれば、純粋に職業体験の一貫として行われるものもあります。大手企業の中には、インターンシップに参加しないと一次選考にすら参加できない企業もありますし。
ただし、「これどうみても体よくタダ働きさせたいだけなんじゃ?」的なインターンシップを行っている企業も数多くあります。で、この手のいわゆるブラックインターンは、大抵3か月超の長期です。

インターンシップという名のタダ働きをさせていればネットで炎上しそうなものですが、学生時代に特に何もやってこなかった学生にとって、「ガクチカ」として話せるネタは非常に貴重、つまりWIN-WINなので、逆に自ら積極的に参加する学生も少なくありません。よって、タダ働き要員としてのインターンシップは減らず、逆に増えている状態です。

ちなみに私が実際に「ガクチカ」として聞いたインターンシップ例としましては、

①IT企業の営業支援:実際は営業のアポ取り。会社から渡されたリストを元にひたすら電話をかける。学生を4~5人のグループに分け、グループ同士でアポ取りの数を競わせて、社員が管理しなくても済むようにしている。

②SNSコンサルティング:XやInstagramへの投稿が主な業務。「マーケティングを学べます!」ということでそこそこ学生には人気があるようだが、XやInstagramにちょこっと投稿したくらいでマーケティングとはこれいかに。

③スタートアップ企業のサポート:社員は代表1名と他1名、後の数名はみなインターンシップ生という驚くべき構成。仕事内容はクラウドファンディングを行うための資料作成。本当に大丈夫か、その会社。

④ウェブ相談員:掲示板に投稿されたお悩み(?)に対して回答する業務。相談員募集ページには「ガクチカに最適!」と記載してある。回答件数のノルマなし、完全在宅のどこがインターンシップなのか謎。

まだまだありますが、書いても差し支えなさそうなものとしてはこんな感じです。バイト雇えよ、マジで。

繰り返しになりますが、これらは企業のみにメリットがあるわけではなく、学生にとってもメリットがあるので、これに関して私がつべこべ言う筋合いはありません。
そのことを踏まえた上であえて言わせてほしいのですが、「お互いメリットあるから」を免罪符にしてタダ働きさせるのは、企業として恥ずべき行為だと思います。
学生の立場からすれば、面接でのネタができる&ついでにちょっとした社会経験もできるということで願ったりかなったりかもしれません。でも、いい大人が、それに付け込んでいいはずがない。
で、大体こういうブラックインターンを実施している会社の経営者って、社会人経験ほとんどなくて起業しちゃったパターンが多いんですよねぇ。もっと倫理・道徳観を持って経営しないと、取り返しのつかないことになりますよ、本当。

まあ真っ当な会社はそんなことは絶対にしませんので、「インターンシップという名の労働力搾取をするような会社には絶対に就職しないように」と学生さんたちには言い聞かせております。

読んでいただきありがとうございました。

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